最近30日間のアクセス数トップ3記事

2016年3月18日金曜日

電話ですますのはやっぱり失礼 ― phone it in

"phone it in"という成句をご存知でしょうか?

私は初めて見たのですが、きっかけは下記の記事でした。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、引用します。


This is one mom who doesn’t just phone it in.

A Spanish widow racked up a monster telephone bill after waiting on hold for 56 long hours in hopes that the company on the other of the line would have a job for her 36-year-old unemployed son.

The 68-year-old mother from Murcia — who has not yet been identified — saw a TV ad touting an unemployment helpline, which actually charges callers for every minute they stay on the line, according to The Local.

Thanks to “caffeinated soft drinks to keep her awake,” the mom was able to manage the marathon wait time, the site reported.
(Sophia Rosenbaum. Widow spent 56 hours on the phone trying to get her son a job. New York Post. March 17, 2016.)


"phone it in"が冒頭で使われていますが、何を言っているのかよく分からないので読み進めます。どうやら高齢の女性がかなり長時間に渡る通話料を請求されて困っているということですが、それは無職の息子に何とかして職を探すためでした。しかし、どうやら騙されたということのようです。

冒頭の"phone it in"に戻りますと、やはりこの成句が何を意味しているのかはよく分からないのですが、恐らく電話をするという意味の"phone"とかけて、ある意味しゃれのように使われているのだと想像しました。

果たして、いくつかの辞書にあたると、


To do something in a perfunctory way or with little interest
(American Heritage Dictionary)


という意味があることが分かりました。

"phone it in"は、つまり事をいい加減に済ませる、別に結果がどうなってもいいやというような気持ちでやる、というような意味だと解釈できます。

引用した記事に関して言えば、高額請求をされている母親は息子のためを思っての行為が裏目に出てしまったわけで、決していい加減な気持ちではなかった、ということになります。

なぜ、"phone it in"がそのような意味になるのか?

語源を求めましたがもっともらしい典拠や説明を見つけることができていません。一説には、"phone it in"とは、本来果たすべき義務を電話で済まそうとする行為のことを意味している、というものがあり、なるほどと思いました。

例えば、本当は出向いた上で謝罪するのが筋のところ、電話で済ませようとすると、誠意がない、と批判を受けるでしょう。

"phone it in"の"it"はいろいろあるでしょうが、「大事なこと」を指しているのだろうと思われます。大事なことはやっぱり直接会って話す必要があるのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿