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2014年2月18日火曜日

~worthyという単語について考える ― cringe-worthy

"cringe-worthy"という見慣れない単語に出くわしました。辞書には載っていません。


NBC reporter Christin Cooper went for ratings gold Sunday in Sochi — and failed spectacularly, driving US Olympic skier Bode Miller to tears in a cringe-worthy interview after his bronze medal win in the men’s super-G.

Miller – whose win made him the oldest athlete to win an Olympic alpine medal and the second most-medaled male skier in history – was already emotional after holding on to tie for third place during the hard-fought race when Cooper began hammering him with questions about his little brother, who died last year after a seizure.
(Jeane MacIntosh. Bode Miller breaks down during cringe-worthy interview. New York Post. February 17, 2014.)


ソチオリンピックのニュースなのですが、米メディアレポーターによる選手インタビューでの話題で、


a cringe-worthy interview


が批難を浴びているというはなしです。"cringe"の意味は、狼狽させる、うんざりさせる、ということで、"cringe-worthy"の意味するところも何となく解りますが、"cringe"と"worthy"の結び付きに興味が湧いてきました。

ご存知のように、"-worthy"は“~の価値がある”という意味で接尾辞的に使われることが多いです。例えば、


trustworthy(信頼に足る)
praiseworthy(賞賛に値する)
newsworthy(ニュース足り得る;報道価値のある)


などです。

"cringe-worthy"という単語(表現)はこれらのパターンから若干外れているような感じがする、と言うと言い過ぎでしょうか?

つまり、"cringe-worthy"の場合、“値する”、“価値がある”という意味合いが馴染まないと思うのです。

そこで、そのような類の"-worthy"にどんなものがあるか調べてみました。(まず、辞書のエントリにはないのですが、"cringe-worthy"はコーパスで数十の実例がありました。)


swoon-worthy
drool-worthy
blameworthy
gasp-worthy
tabloid-worthy
chuckle-worthy
...


枚挙に暇がないのですが、"-worthy"が様々な意味の単語と結合する接尾辞であることを示していると言えます。ただ、“~に値する”、“~の価値がある”という日本語ではもはや追いつかない実例が多く見られるのではないでしょうか。

色々と考えを巡らせていて思いついたのは、“噴飯モノ”などという日本語に見られる“~モノ”という表現が"-worthy"の説明(日本語に訳す場合)に相応しいのではないかということです。

この“~モノ”という表現も日本語では多用される側面があり、噴飯モノを始めとして、


マニア垂涎モノのプレミアアイテム
懲戒免職モノの違反
顰蹙モノの発言


など様々な表現と結び付く傾向があると思われます。


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