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2013年4月26日金曜日

Glassに賭けるグーグル ― bet the house

スマホ全盛時代です。電車に乗るとスマホを触っている人ばかりのように見えます。スマホはコモディティ(日用品)化した感すらあります。

一方、スマホの火付け役であるアップルは株価が低迷しているという報道がされています。同社の今後のイノベーションや経営スピードに市場が懐疑心をもっていることの表れだとか。びっくりするような新製品を開発中だと同社のCEOはぶち上げたそうですが、詳細は不明だとも言われています。

こうした中、次世代のウェアラブルコンピュータが注目されています。最も話題なのはGoogle Glassというメガネでしょうか。


By the time the next presidential election rolls around in the United States, millions of us could be watching the results on our Google Glass. That might not seem crazy, being that the election will be only months after the 2016 Summer Olympics in Brazil, which will be broadcast, viewed, and shared by many via Glass.

This is only a snippet of what the near future could hold if predictions made by research firm IMS come true.

IMS' most optimistic forecast finds that shipments of "smart glasses" -- including Glass and similar products from competitors -- could total almost 10 million worldwide over the next four years. The firm's projections show big jumps in shipments, from 434,000 units next year to more than 2 million in 2015 and 6.6 million in 2016.
(Eric Mac. Imagining a 'Google Glass is half full' world in 2016. CNET News. April 24, 2013.)


IMSという調査会社の報告によれば、今後4年間でGoogle Glassのようなウェアラブルコンピュータの出荷数は世界中で1,000万に達するということです。

尤もこれはやや楽観的な観測で、Google Glassのようなウェアラブルコンピュータのハードウェアそのものよりも、そのハードウェア上で動作するアプリケーションがどれくらい開発されるかにかかっているという但し書きつきです。


"In fact, the hardware is much less relevant to the growth of Google Glass than for any other personal communications device in recent history," wrote Theo Ahadome, senior analyst at IMS, in an email. "This is because the utility of Google Glass is not readily apparent, so everything will depend on the appeal of the apps. ... Google is betting the house that developers will produce some compelling applications for Glass."
(ibid.)


グーグルはウェアラブルコンピュータで競合に先駆けたい思惑があるのでしょう、自社のハードウェアに基づいたアプリケーションが開発されることに賭けている、というのがこの調査会社の見方のようです。

さて、その“賭けている”、というのを表現するのに、


bet(ting) the house


という表現を使っています。これは初めて見る表現でした。辞書を引くと、この表現にはいくつかバリエーションがあるようで、


bet the ranch
bet the farm


などとも表現するようです。つまり、"bet"の目的語になっているのは、家だったり畑や牧場などの土地だったりという訳ですが、言うなれば賭けに負ければかなりの損失になる、ということで、“一か八の”賭けであるということです。

ところで引用記事のタイトルにしゃれが利いているのにお気づきでしょうか?そうです、以前取り上げた、楽観的な態度を意味する"glass is half full"という成句と、Google Glassの"glass"(メガネ)をかけているんですね。

ウェアラブルコンピュータのこれからの行方が注目されます。


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