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2013年3月5日火曜日

あなたも教えてもらったことがあるはず ― CPR

医療関係者には常識かも知れませんが、CPRって何のことかご存知でしょうか?実践した事のある人はまれかもしれませんが、教えてもらったことのある人は多いのでは?

下記の記事を読んでみましょう。


Experts 'appalled' by CPR policy at retirement home

A retirement home is defending one of its nurses who refused to perform CPR.

The death of an 87-year-old woman who did not receive CPR in her central California retirement community was a tragedy waiting to happen, long-term care housing experts say.

A nurse at Glenwood Gardens in Bakersfield, Calif., refused to give Lorraine Bayless CPR after she collapsed last Tuesday in the dining room and was barely breathing. The nurse called 911 for help, saying it was against the facility's policy for staff to give CPR.
(Janice Lloyd. Experts 'appalled' by CPR policy at retirement home. USA Today. March 4, 2013.)


CPRは略語であることが明らかですが、引用した記事ではタイトルで使われている他、本文中も略語の形で使われています。略語を用いる場合は、最初に出てくる時に読者に分かりやすいよう、その展開形(略さずスペルアウトしたもの)も示すのが普通ですが、この記事ではそのようになっていません。つまり、CPRというのはそれくらい自明な表現だということになります。

私は記事を読みながら、CPRが何を指すのか分かりましたが、その展開形、最後のRが喉元まで出かかっているのに思い出せず、少し難儀しました。

勿体ぶりましたが、CPRとは、


cardiopulmonary resuscitation


の略です。日本語で心肺蘇生法と呼ばれる、救急救命処置のことです。

心肺が停止すると脳に血流がいかなくなりますが、脳はたったの4、5分血流が断たれるだけで大きなダメージを受けるとされており、心肺停止時の救命処置はクリティカルです。このように、心肺蘇生とは脳の血流を維持することが目的であることから、CPCR(cardiopulmonary cerebral resuscitation)と呼ばれることもあるそうです。

さて、記事では、いわゆる老人ホームに居住していた老婦が食堂で意識を失った際に、ホームのスタッフが心肺蘇生の救命処置を行わなかったために、救急隊が到着した時は既に遅く、亡くなってしまった、という悲劇を報じています。

救急に電話したホームのスタッフはCPRはできないと言明したらしく、ホームの運営側もそれがポリシーに則った行動であるとしており、議論を呼んでいます。


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