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2012年7月25日水曜日

make the cut

アメリカにおける初の女性宇宙飛行士のSally Rideさんが癌のため亡くなったという記事を昨日見たのですが、今日もグーグルニュースのトップニュース一覧に出ており、話題性の高さが伺えます。

数多ある記事からNew York Times紙の記事を引用します。


Sally Ride, the first American woman to fly in space, died on Monday at her home in San Diego. She was 61.

The cause was pancreatic cancer, her company, Sally Ride Science, announced on its Web site.

Dr. Ride, a physicist who was accepted into the space program in 1978 after she answered a newspaper ad for astronauts, flew on the shuttle Challenger on June 18, 1983, and on a second mission in 1984. At 32, she was also the youngest American in space.

(中略)

Dr. Ride was finishing studies at Stanford University — she had degrees in physics and astrophysics (and also English) — and looking for a job when she saw NASA’s advertisement. She looked at the qualifications and said, “I’m one of those people,” she told The New York Times in 1982.

She applied, and made the cut.
(Denise Grady. American Woman Who Shattered Space Ceiling. The New York Times. July 23, 2012.)


著名人の死亡記事の通例ですが、Rideさんのバイオグラフィーに触れられています。Rideさんは物理学者だったようですが、新聞広告でNASAの宇宙飛行士募集を知り応募したことがきっかけだということです。

さて、引用の最後に、


She applied, and made the cut.


と、簡潔に書かれています。(NASAの採用試験に)応募し、そして"made the cut"ということですが、この"make the cut"という成句をご存知でしょうか?

ランダムハウス英和辞書を引くと、米俗語ということで、”脱落しないで選手になる”とあります。また、ジーニアス英和大辞典では、”(なんとか)目的を達成する、成功する”とありますので、コンテクストからも明らかですが、RideさんがNASAの採用試験を突破したということは分かります。

ただ、よく分からないのは、合格するということがなぜ"make the cut"なのか?ということではないでしょうか。もう少し調べてみました。

ジーニアス英和やオンライン辞書などによると、この表現はゴルフのプレーに由来するらしく、トーナメントで基準点を満たしてトーナメントに残る、予選を通過する、というところから来ているそうです。

では、"make the cut"の"the cut"という名詞は何を指しているのだろうか、という疑問が次にわいてきます。

ここからは想像なのですが、この成句における"the cut"は動詞の"cut"が意味する、切る、切断する、という基本的な意味の名詞であると考えます。では何を切るのかというところが明示されていないことがこの表現を直感的に理解するのを妨げているような気がするのですが、基準点、選考基準、いわゆるボーダーラインのことであろうと思います。"the cut"とは、基準に据えられたラインをぶっちぎる、つまりボーダーラインに達する、突破する、ということであろうと思います。


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