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2012年7月3日火曜日

商標権和解:アップルにとっては痛くも痒くもなかった? ― bite

中国でのアップル社のタブレット端末iPadの商標権を巡る係争にけりがついたようです。商標権の買い取り(和解)に、アップル社が相手方に6000万ドルを支払うことで合意したようです。

6000万ドルは高い金額でしょうか?庶民が云々できる金額ではないということだけははっきりしています。アップル社にとってはどうだったのでしょう?


Apple Inc. took in nearly $8 billion in greater China during the first three months of 2012. The price of continuing to sell its tablet in China under the iPad name: a mere $60 million.

The Cupertino, Calif., gadget maker has paid that sum for the transfer of the iPad trademark from the China unit of Proview International Holdings Ltd., according to a Chinese high court in the southern Chinese province of Guangdong.

The amount, which was far short of the as much as $2 billion that a Proview arm had asked for in a U.S. court, represents a tiny sum for the world's most valuable company. Apple had a cash hoard of more than $110 billion as of March.
(Chinese iPad Case Takes Only a Small Bite Out of Apple. The Wall Street Journal. July 2, 2012.)


今年の1~3月における、中国でのiPadの売り上げは80億ドルだったそうです。その売り上げを確保するために払う6000万ドルは3ヶ月分の売り上げのわずか7%程度、しかも1回こっきりの支払であり、損得勘定から言えばまったく比較にならない、ということになるのでしょうが、庶民感覚では理解できないスケールです。

さて、この記事のタイトルがしゃれています。


Chinese iPad Case Takes Only a Small Bite Out of Apple


"Apple"とあるのは、当のアップル社のことと、果物のアップル(りんご)とをかけています。ある意味しゃれですね。"bite"には食べることを指す”ひと齧り”の意味の他に、


(全体から切り取られた)一部分;(全額から)差し引かれる分


という意味があります。商標権を巡る今回の係争はりんごが齧り取られるかのように、アップル社から6000万ドルが支払われることになったのですが、現金資産で1100億ドルを保有するアップル社にとっては"only a small bite"でした。つまり痛くも痒くもない額だということです。

海賊版や商標権の無断使用が横行すると言われる中国ですが、商標権の代わりに6000万ドルを受け取った企業はぼろ儲けといったところでしょうか。ちなみにこの企業は、"Internet Personal Access Device"、略して"IPAD"と呼ばれる製品を製造販売し、その商標権を保持しているということです。

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