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2012年5月10日木曜日

訃報: Vidal Sassoon氏 ― snipper

今朝、Google Newsにアクセスしたら日本(Japan)版のトップニュースで世界的ヘアスタイリストである、ビダル・サスーンさんの訃報を伝えていました。リードでは、”世界的に活躍したヘアスタイリスト”(毎日新聞)という表現がされていました。日本でもシャンプーなどのブランドでおなじみだと思いますが、この手の話題に程遠い、男の私も昔にコマーシャルで幾度となく見たので名前を覚えているくらいです。

早速、(Google Newsの)US版にアクセスしてみました。やはりトップニュースの扱いでしたが、最初に目についたのが下記のUSA Today紙の記事でした。


Vidal Sassoon — arguably the world's first celebrity snipper, whose name became synonymous with cutting-edge cuts and, later, slapped on shampoo bottles, a staple of a suburban woman's grooming regimen — died Wednesday of natural causes at his home in Los Angeles. He was 84.
(Olivia Baker. Vidal Sassoon merged style, business savvy. USA Today. May 9, 2012.)


まず目に留まったのは、"snipper"という表現です。聞きなれない表現です。手持ちの辞書に"snipper"というエントリはなく、"snip"という単語を参照しますと、


(動詞)チョキチョキ切る
(名詞)チョキンと切ること;チョキチョキ切る音


と出ています。"snip"のこれらの意味から、"snipper"が髪切り、あるいは髪切りを生業とする人のことを指すのだろうということは想像がつきますが、なぜかそのような意味(つまり床屋とか理容師、美容師といった訳語)は載っていないのです。

他のメディアの報道も見てみますと、主なところでは下記のようなヘッドラインです。


Vidal Sassoon, hair-care pioneer, has died (msnbc.com)

Hairstyling pioneer Vidal Sassonn dies at 84 in LA (Business Week)

Celebrity hairstylist Vidal Sassoon dies at home in LA (telegraph.co.uk)

Vidal Sassoon, Hair Styling Icon, Dies (Fox News)


"pioneer"、"celebrity stylist"、"hair styling icon"といった表現が目立つ中、"(celebrity) snipper"という表現を敢えて使ったUSA Today紙の記者の意図に関心があります。

"pioneer"や"icon"といった表現がほとんど最大級の賛辞であるのに対して、"snipper"はどちらかと言えば少し貶したような言い方、よく見積もっても当該の職業を表わすのに相応の表現でしかないように響きます。亡くなったSassoon氏ほどの有名人であればこそ、このような表現が逆に氏の偉大さを浮き彫りのするのかも知れません。それが"snipper"という表現を使った記者の意図かどうかは分かりませんが、英語において時々このような言い回しが見られるように思います。

ご冥福をお祈りします。


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