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2012年4月13日金曜日

北朝鮮、ミサイル発射は“スカ屁”に終わる ― fizzer

北朝鮮によるミサイル発射が昨日中にも行われるとの予想でしたが結局発射されず、日本時間の今朝になって発射された模様です。当然ですが国際社会の批難を浴びるトップニュースとなっています。

今朝起床してから結局ミサイル発射はなかったなあなどと思いながらジョギングに出かけたのですが、戻ってきてラジオを聞きながら朝食を摂っていると速報が入りました。第一報は韓国メディアからのもので、その後、アメリカCNNによる打ち上げは失敗という報道が続きました。(残念ながら、日本のメディアや首相官邸、防衛省などのソースはその時点では聞きませんでした。心配だなあ・・・。)

さて、お昼になってグーグルニュースを斜め読みしますと国際面では当然といいますか、トップニュースの扱いです。

その中から、The Sydney Morning Herald紙の記事を引用します。


North Korean dynamics remain charged despite rocket fizzer


The apparent fizzer of the North Korean rocket launch does not change the dynamics of the regime defying international opinion.

Nor does a failure signal an end to the nuclear ambitions of the reclusive regime. Tests - even ones that go awry - are meant as learning exercises. There were plenty of failures in the missile development by other countries too.

Besides, in the tightly-controlled North Korean media, the rocket will be seen to be a fantastic success and that is ultimately the main audience for the regime.
(North Korean dynamics remain charged despite rocket fizzer. The Sydney Morning Herald. April 13, 2012.)


多くのメディアがミサイル打ち上げ失敗を"failure"や"failed"というごく一般的な表現を使っているのに対して、The Sydney Morning Heraldの記事では"fizzer"という表現をしているのは興味深いものがあります。

"fizzer"を辞書で引くと、豪俗語ということで、


不発の花火、大失敗


とあります。(ランダムハウス英和辞書)

オーストラリア英語だからでしょうか、American HeritageやMerriam Websterにはエントリがありません。

"fizzer"は"fizz"から来ていますが、"fizz"は馴染みのある表現で、炭酸飲料などの発泡性の飲料のことを指します。(ジン・フィズのカクテル名などのフィズと同じですね。)

発泡性の飲料からの連想なのでしょうか、シュワーという音やシューという音をあらわすのにも使われます。

そして、不発の花火という意味に至っては、発泡性飲料が最初は勢いよく音を立てていても、時間経過と共に勢いを失っていく様を喩えたもののようにも思えます。実は、"fizz"という単語は、"fizzle"(シューという音を出す、失敗する)という単語からの逆成とされています。そして"fizzle"をさらにたどると、古ノルド語でおならをするの意味にあたる"fisa"に行き着くということです。

この、"fizzle"がおなら(fisa)に由来するという語源解説については、American Heritageにも詳しい説明があります。(ちょっと下品になりますが、ちなみにただのおならではなく、"to break wind without noise"(つまり、スカ屁)のことです。)

おなら(fisa)→ fizzle → fizz → fizzer、とたどってきたわけですが、困った国のミサイル発射は結局おなら(スカ屁)に終わってしまったというところでしょうか。メディアによると今後核実験を行うのではないかという観測もあるようですが、困った国の火遊びはこれで終わりにしてもらいたいものです。

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