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2011年12月30日金曜日

今年もご愛読ありがとうございました ― kizuna

2011年が暮れようとしています。これを読んでいる皆さんにとって今年はどんな年だったでしょうか?今年は3月の大震災、9月の台風12号による大雨・台風被害などがまずは思い起こされますが、個人的にも本当に様々な出来事があった年でした。

日本漢字能力検定協会が毎年行っている、今年の漢字には「絆」きずな)が選ばれました。(2011年12月12日)

大震災などを契機に人々が連帯感を改めて認識し、支え合っていくことで困難を乗り越えていくという意識を新たにした年であったという意味で、昨年の漢字「暑」などよりも個人的には納得感があります。

ところで話が変わりますが、クリスマスを目前にした先週、普段はあまり立ち寄ることがない郊外のショッピングセンターに買い物に行ったのですが、レジ待ちをしているときに、店内のありとあらゆるところに貼り出されているクリスマスのポスター広告が目に留まりました。

そのポスターの画像そのものを掲載することができないのでテキストでの説明になってしまうのですが、クリスマスカラーの赤の地に白で書かれてある、"Link Link Christmas"というコピーにわずかな違和感を覚えたのです。"Link Link..."の"L"のアルファベットはベル(鈴)のような形に装飾されていました。まず思ったのは、これは"Ring, Ring..."の間違いではないのかということ。

しかしよくよく考えて、まさかそんなことは・・・、と思い、しばらくして、これは間違いなく意図的に"link"という英単語をピックアップしたものであり、恐らくは今年の漢字「絆」に”かけた”ものだということに思い至りました。

何となく納得したような、しないような、"link"という、特に今日のインターネット全盛の時代にあって何となく軽いイメージのある単語を使っている安易さみたいなものと、"Link"≠"Ring"の件など、妙にムズムズした違和感が残ったのですが、帰るすがら、では「絆」を英語で何と表現したらしっくりくるだろうかと考え、すぐに思いついたのは、"bond"、次には"tie"でした。

でも、"Bond Bond Christmas"ではキャッチコピーとしては??ですし、口に出した時の響きの点でも、L-Rの発音の違いみたいな野暮なことは置いておいて、"Link Link..."の方が上だった(?)のかもしれません。

"link"という単語も”つながり”や”きずな”の意味がありますのでこの語を使っていることが間違いというわけではないと思います。ただ個人的に、"link"や”つながろう”といったフレーズには何となく軽さがあるのと、震災後とみに多くなったこの種のフレーズとそれらに対して被災地からは”口先だけの・・・”という批判もあるというのを聞いたことが思い出され、微妙な違和感として感じられたのです。

話が少し脱線しましたが、2011年最後にお届けする単語は、"kizuna"です。下記の引用は冒頭に触れた今年の漢字についての、New York Times紙からです。


At Kyoto’s Kiyomizu Temple this month, the head priest inked a robust rendition nearly his size of the character “kizuna.” The one-letter word means bonds or ties and had been voted character of the year in a poll conducted by an association known as Kanken that promotes character writing. The word kizuna went viral on Japanese lips after the earthquake and tsunami in March prompted people to appreciate family and friends. Numerous volunteer and aid organizations that sprung up around the country named themselves that word.
(Kumiko Makihara. Character Values. The New York Times. December 13, 2011.)


えいご1日1語は2011年は今日が最後となります。今年もご愛読ありがとうございました。2012年もどうぞよろしくお願い致します。

2011年12月29日木曜日

産科と婦人科 ― obgyn

日本語で産婦人科と言いますが、単に”産科”というところ(病院)もあれば、”婦人科”というところもあります。つまり、産科と婦人科が一緒になっているところが産婦人科というわけですが、実は私は昔はそうと知らず、産婦人科は内科や外科などと同じく、1つの専門分野と思っていました。

さて、英語でも事情はまったく同じようです。つまり、産科と婦人科は別個の専門分野なのです。

では産婦人科を何というのでしょうか?"obgyn"という単語があることを知りました。


About 40 minutes after winning her $1 million as the last survivor on "Survivor: South Pacific" Sunday night, Sophie Clarke seemed to realize her new reality.

“I’m 22 years old, a millionaire. I am the 1 percent now,” the Upstate New York reality cast member told TheWrap.

Clarke just finished her first semester of medical school this week, but she’s not dropping out.

“It’s nice to be able to have the freedom to choose my medical specialty based on what I really want to do," she said, "It’s taken the financial factor out. I want to be an OBGYN or a family doctor,”
(Mikey Glazer. 'Survivor' Millionaire Sophie Clarke: 'I Am the 1% Now.' Reuters. December 19, 2011.)


"obgyn"とは、"obstetrics"(産科)と"gynecology"(婦人科)が合体してできた単語です。

スペルは、引用記事のように全大文字で"OBGYN"だったり、スラッシュが入って"ob/gyn"だったり、色々なバリエーションがあるようです。

2011年12月28日水曜日

日本発の世界標準!? ― emoji

日本人として誇りに思うべきでしょうか?携帯電話などのメールで入力する絵文字は、今や"emoji"という単語で知られる世界標準なのだそうです。


Say you wanted to invite a friend to happy hour. You could send a simple text message, but that would be boring. Instead, why not send a cartoony picture of two clinking beer mugs?

That’s the kind of thing Alicia Fernandez, a student in fashion marketing at Berkeley College in New York, likes to send to friends. “Instead of saying ‘I love you,’ I’ll just use a heart,” she said. “Or when I’m writing ‘LOL,’ I’ll put a laughing-crying face instead.”

Ms. Fernandez is talking about emoji, which are the more elaborate cousins of emoticons — those creative combinations of colons, parentheses and other punctuation that people use to drop a facial expression into a text message or e-mail.

But unlike emoticons, emoji don’t require tilting your head sideways to make sense of the image. They are a kind of pictorial alphabet stored on a phone that can be displayed in place of the regular keyboard, making it easy to tap out a visual message.
(Jenna Wortham. Whimsical Texting Icons Get a Shot at Success. The New York Times. December 6, 2011.)


当ブログで、"emoticon"という単語を取り上げたのを覚えておられるでしょうか?

"emoticon"とはいわゆる”顔文字”のことで、コロンやセミコロン、括弧、ハイフンなどのキーボードから入力可能な記号を組み合わせて表現する、主として人の表情を表したものです。

私は絵文字(emoji)、イコール顔文字(つまりemoticon)と思っていたのですが、厳密には違うもののようです。記事を読んでいてその違いが何となく分かってきたのですが、顔文字()がキーボードから入力可能な記号の組み合わせで表現されるのに対して、絵文字()とは元々携帯電話会社各社が独自に提供していた、グラフィックスによる表現と言えます。その後、ユニコードに登録されるなどして、iPhoneなどの端末からもアクセスできるようになり、日本だけでなく世界に広まったようです。

emoticonもemojiも、手持ちのハードカバーの英和辞書には勿論エントリがありません。インターネット時代の単語だと言えるでしょう。最近の英和辞書には載っているのかもしれません。

2011年12月27日火曜日

get the snowball rolling

寒い季節になりました。関東ではまだ積雪は観測されていませんが、ここ数日は随分冷え込んできましたのでそのうち雪が降って積もることもあるのではないかと思います。

雪が積もって喜ぶのは子供たちです。昨年も庭に積もった雪で雪だるまを作って写真を取りました。

雪だるまというと好ましくない意味合いで用いられることが多いかもしれません。借金が雪だるま式に膨らむ、というような表現がそうです。この点、英語でも同じでしょうか。


On reports that Europe’s central banks are considering resurrecting their individual currencies:

“I am not surprised. There are three possible outcomes. One is Europe succeeds in maintaining the current euro zone. Two is a smaller eurozone. Three, and hopefully this will never happen, is the total fragmentation of the euro zone with 17 countries introducing their own currency. That discussion about different scenarios is something that everyone should be having because there is a probability for each of these.”

“It is not about kicking the can down the road. Europe has been rolling a snowball down the hill. The snow ball gets bigger. The problems are getting bigger and bigger and the dynamics of the snowball gets more difficult to control. Europe has to stop rolling the snowball down the hill.”
(PIMCO’s El-Erian: ECB Waiting for IMF, Governments to ‘Step Up.’Wall Street Pit. December 8, 2011.)


"snowball"という比喩で表されるのはどちらかといえば望ましくないことなのですが、モノは扱い様であり、上手く扱うことができればそれは良い結果をもたらすものでもあります。下記の用例ではそのような考え方が垣間見えると思います。


“If we can get that snowball rolling and get it right, we can ride the momentum,” he said. “We’re going to give it a shot.”
(Jenna Wortham. Apple App Makers on Edge for Holidays. The New York Times. December 18, 2011.)

2011年12月26日月曜日

vie

"vie"という単語を見ると、フランス語と思ってしまうのは大学の第2外国語でフランス語を選択したからでしょうか?

"C'est la vie."というあまりにも知られたフレーズのせいでしょうか?

私も第2外国語でフランス語をかじりましたが、英単語の"vie"を知らなかったのは単なる不勉強!?


Egypt's military, activists vie for public support

CAIRO (AP) — Egypt's ruling military and the revolutionaries who demand they immediately step down battled for a third day in the streets on Sunday — and competed fiercely for the support of a broader public that has grown tired of turmoil since the fall of Hosni Mubarak 10 months ago.

The generals appear to be winning the fight for the public, despite a heavy-handed crackdown on protesters around Cairo's Tahrir Square using a roughness that rivaled even that of Mubarak's widely hated police force.
(Hamza Hendawi. The Associated Press.)


英語の"vie"とフランス語の"vie"はスペルは同じですが発音が違います。英語での意味は、競う、争う、という意味です。前置詞の"for"に続く目的語は、争いや競争の対象となるものが来ます。

上記で引用した例は記事の見出しでの用例です。本文中では"vie"という単語の代わりに"compete"を用いているので、恐らくは記事見出しの原則(?)により、短いスペルの"vie"を用いたのではないかと思われます。

(今年の8月に、”記事見出しに使われる単語”というテーマでスペルが短い単語をお届けしましたが、そちらもご覧ください。)

2011年12月23日金曜日

一網打尽 ― net

日本語で”一網打尽”と言いますが、複数の悪者を一度の試みで網にかけて逮捕する、というイメージがあります。英語でも同じイメージなのだと思いますが、"net"という単語が使われるというのは、言われてみればなんだそんなこと、という感じかもしれませんが私は改めてへぇ~、という気がしたので今日取り上げました。

日本語でも、カタカナで”ネット”、つまり”網”のことですが、動詞として、”捕える、わなにかける”という意味があります。


A year-long undercover sting orchestrated by the Metropolitan Police Department and federal authorities netted $7.2 million in drugs, 161 weapons and 70 arrests.

Authorities from the Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives search a home where a defendant sold narcotics to undercover officers and agents in Hyattsville. Metropolitan Police and federal agents from the ATF, FBI and the U.S. Immigration and Customs Enforcement closed a year-long and risky undercover investigation which led to the arrests of 70 people, and the seizure of $7.2 million in cocaine, methamphetamines and other drugs, as well as 161 weapons.
(Marvin Joseph. 70 arrested in year-long D.C. undercover drug, gun sting. The Washington Post. December 19, 2011.)

2011年12月22日木曜日

bonanza

スペルからしてラテン系の響きがある単語ですが、実際スペイン語です。辞書を引くと、”鉱脈”という訳語が見えます。

鉱脈と言っても鉄鋼関連産業にでも勤めている人以外にはピンとこないのではないかと思いますが、鉱脈の比喩するところが”当たり”であり、“儲け、報酬”であると考えれば、意味は自ずと明らかでしょう。


Retail analysts yesterday predicted a last-gasp buying bonanza this week totalling £8BILLION as stores slash prices.

It came after shoppers went wild at the weekend, defying the economic gloom to spend an incredible £3.5BILLION in the high street.

A QUARTER of all over-15s in Britain went shopping in the past two days — that's 11million people.

Car parks in town centres and out-of-town complexes were full by midday. Coffee shops and eateries were packed to bursting.
(Jane Hamilton. £2.5m a minute - 6-day Xmas spending frenzy. The Sun. December 19, 2011.)


クリスマス商戦真っ只中というところですが、売り手の立場からすれば、この時期が”豊かな鉱脈”であることは論を待ちません。

ところで、"bonanza"には望ましい鉱脈である場合もあれば、そうでないこともあるようです。下記の例は、どちらかと言えば望ましくないことのソース(源泉)を指す意味で用いられています。


Ready-To-Bake Cookie Dough Is Germ Bonanza

Bake it, don't bite it. Health officials are advising people against eating ready-to-bake cookie dough after investigating a 2009 E. coli outbreak that left 35 people hospitalized. Experts suspect one of the ingredients used to produce the dough was contaminated. Their investigation didn't conclusively implicate flour, but it remains the prime suspect.
(SciTech Today. December 13, 2011.)


この引用記事は、つい先日取り上げた、クッキー生地のつまみ食いは危険という話題に関するものです。

2011年12月21日水曜日

米南西部で寒波により交通網がマヒ ― snarl

ここのところかなり冷え込んできました。首都圏では特に朝の寒さは身を切るようなものになってきた感があります。今朝ラジオを聴いていたところ、このところ連日最低気温を記録しているそうです。話の中で北海道の(どこだったか忘れましたが)ある町では氷点下26度ということですから、これはまた寒さのレベルが違います。

クリスマス寒波にご用心ということだったのですが、アメリカでも南西部で寒波が猛威を奮っているようです。


TOPEKA, Kan. — A powerful winter storm blew across the Southwest and the Great Plains on Tuesday after dumping more than a foot of snow in places, causing deadly accidents and closing highways in five states.

Weather forecasters warned that the storm was likely to snarl holiday travel across the region. Hotels were filling up Tuesday along major roads from eastern New Mexico to Kansas.

About 10 inches of snow had fallen in western Kansas before dawn, and several more inches — along with strong wind gusts — were expected, said National Weather Service meteorologist Tim Burke in Dodge City, Kan.
(Snowstorm snarls travel in Plains, Southwest. The Seattle Times. December 20, 2011.)


2段落目に、"snarl"という単語が出てきます。"snarl holiday travel across the region"となっており、"snarl"の意味を知っていなくとも意味はほぼ明らかなのですが、"snarl"の意味を確認しようと辞書を引いてみてはたと気が付きました。

"snarl"には、(犬などが)吠える、うなる、という意味の単語と、もう1つ別にもつれさせる、紛糾させる、という意味の単語の2つがあるのです。

この記事での用例は間違いなく後者の方のものですが、辞書の最初のエントリにあった、”吠える、うなる”の方を先に見て、あれ?と思った次第です。

主語が"storm"なので、猛吹雪を犬がうなっているように比喩的に捉えて表現したものかと早とちりしかけましたが・・・。

スペルが一緒なのでややこしいのですが、”もつれさせる、紛糾させる”という意味の方の"snarl"は、”わな”を意味する"snare"と語源を同じくするもののようです。

その意味では、雪のために交通網がマヒした状態を、わなにかかった動物が身動きとれなくなった状態のように比喩的に表現しているようにもイメージされます。

2つの"snarl"を復習したということで・・・。

2011年12月20日火曜日

金正日総書記死去、後継は・・・ ― chip off the old bock

12月19日月曜日の昼過ぎに飛び込んできた、北朝鮮の金正日総書記死去のニュースは間違いなく今年のトップニュースの1つでしょう。Google Newsでも主要メディアがトップニュースの扱いです。

核武装国家、ならず者国家、独裁主義者、悪の枢軸、など、さんざんに名指しで批判されてきた政権ですが、後継とされる金正恩氏(Kim Jong-un)についても色々と評されており、民主化への新たなかじ取りが期待されるというものから、中国やスイスでの留学経験も空しく路線転換は期待できない、というものまで様々です。


NORTH Korea last night dramatically marked the sudden death of its despot leader Kim Jong-il by firing a short range missile, putting nervous world leaders on nuclear alert.

His heir apparent, third son Kim Jong-un, 28, is a four-star general with little military experience who experts fear has similar "ruthless" traits to his father, who died at the weekend. Said one: "Jong-un is known to have the potential to become a strong, ruthless leader."

(中略)

The apparent succession of Kim Jong-un - a "chip off the old block" in both his ideology and personality - threatens to trigger a perilous period for the Korean peninsula, where 1.7 million troops from the two Koreas and the US square off every day.
(Nuclear alert as 'Little Kim' to rule North Korea. News.com.au. December 20, 2011.)


金正恩氏はイデオロギーも人格も親である金正日氏とそっくり(chip off the old block)ということだそうです。近隣国家には脅威であり、拉致問題も抱える日本としてはあまり考えたくないところですが、現実を直視せざるを得ません。

2011年12月19日月曜日

App開発者の書き入れ時 ― pull an all-nighter

愚息がクリスマスプレゼントにあれを買ってくれ、これを買ってくれだのこの数週間やかましいのですが、世間でもクリスマスプレゼントを何にするかは話題だろうと思います。この時期は何だか商業主義に踊らされているようであまり好きではないのですが、正直なところ何もプレゼントをやらないのも子供には可哀想な気もしてきて結局買ってしまいます。売る側の立場からすればまさに書き入れ時であり、ビジネスの命運がかかっているといっても過言ではないようです。

爆発的にヒットしているiPhoneやiPad(どちらも持っていませんが)をプレゼントにするという人も多いかもしれません。あまり触ったこともないのでよく知らないのですが、iPhoneにしてもiPadにしても、自分の気に入ったアプリケーションを購入してダウンロードするのが定番ということで、これらのデバイスのためのアプリケーション開発者(App Developers)にとっても書き入れ時なんだそうです。


On Christmas morning, millions of people will unwrap new iPads, iPhones and iPod Touches — and immediately start downloading games and other applications for them. It is the biggest day of the year for app sales, which can mean big money for developers.
(Jenna Wortham. Apple App Makers on Edge for Holidays. The New York Times. December 18, 2011.)


書き入れ時なのは誰もおんなじだとは思いますが、この記事でなぜApp Developersを取り上げているのか(しかもApple製品向けのApp Developers)、というところがミソです。


That is, if they manage to get their apps through Apple’s review process and into the App Store before everyone at Apple goes on vacation.

Each year around Christmas, Apple stops accepting app submissions and updating its store for a while. This year the shutdown starts on Thursday and runs for eight days.

In the weeks leading up to the cutoff, developers often pull all-nighters so they can get their work to Apple in time.

“There’s a mad scramble for developers,” said Marc Edwards, lead designer at Bjango, an Australian app maker. “In terms of money, it can be a really big deal.”
(ibid.)


何とApple社のアプリケーションダウンロードサイトであるApp Storeはクリスマスに時期は"freeze"するのだそうです。つまり更新が行われないということらしいのですが、App開発者は何とか書き入れ時のクリスマスに合わせるべく、開発したアプリケーションがApp Storeに掲載されるか否かがクリティカルな訳です。

App Storeの更新は今週木曜日から8日間ストップするらしく、App開発者はその前までに徹夜でがんばります。

今日取り上げる表現、"pull all-nighters"は”徹夜する”という意味の俗語表現です。

仕事とは言え、大変ですねぇ。

2011年12月16日金曜日

奇跡でも起きない限りは・・・ ― Hail Mary

今年9月半ばに始まった"Occupy Wall Street"(ウォールストリートを占拠せよ)のデモは、警察当局による強制的なデモ隊の排除によってほとんど終息してしまった感があります。

世界各国、主要都市に飛び火した抗議行動は、マスコミでも大きく報じられました。

今日引用させていただくのは、アメリカの大衆紙New York Post紙が伝えている記事からなのですが、デモのあおりを受けて閉店せざるを得ない状況になってしまったカフェレストランの話です。


Milk Street Cafe, a popular downtown Manhattan eatery patronized by hungry Wall Streeters, will be shutting its doors for good Thursday after business slowed down due to the recent "Occupy Wall Street" protests.

"It's very sad, and were going to try to do it quietly," owner Marc Epstein told NewsCore. Epstein said the cafe's last day of business will be Thursday.

(中略)

But the "Occupy" protests in nearby Zuccotti Park, which began in September, and the resulting police presence and barricades, soon began to affect business.

Epstein has said that the cafe's business fell by 30 percent after the protests began, The Post reported last month.

(Milk Street Cafe to close for good after 'Occupy' protests scare away customers. New York Post. December 14, 2011.)


デモの舞台となったズコッティ公園(Zuccotti Park)のそばにあるカフェレストランはデモの影響を被って売上が3割も落ち、やむなく閉店に至ったということです。


Even after the protesters were kicked out of the park in November, police barricades remained up around the restaurant, preventing customers from entering easily.

Epstein said he was frustrated that city officials had not responded to his complaints.

"Unless we get a Hail Mary, it's a matter of days, maybe a week or two," Epstein said.
(ibid.)


カフェレストランのオーナーであるEpstein氏の発言が引用されていますが、"Hail Mary"という見慣れない表現です。

コンテクストからは何となくいわんとするところは分かります。でも、"Hail Mary"って何のことでしょう?

ランダムハウス英和辞書を引くと、"Ave Maria"を参照せよ、とあります。そして2番目の意味として、”(アメフトでの)エンドゾーンへのロングパス”とあります。

"Ave Maria"と言えばシューベルト、あるいはグノーのアヴェ・マリアの旋律がすぐに思い浮かぶのですが、それではEpstein氏の発言としてピンときません。ここはアメフトのロングパスという意味にヒントがある!?

ググったりして色々調べますと、"Hail Mary pass"という表現があることが分かりました。これがアメフトのパスのことなのですが、Wikipediaによれば、


refers to any very long forward pass made in desperation with only a small chance of success, especially at or near the end of a half


ということであり、勝負の中で一縷の望みをかけたパスであると解釈できます。

オーナーのEpsitein氏の発言の意図は、奇跡でも起きない限りは店の命が1週間かそこらである、ということだと解釈できます。

2011年12月15日木曜日

NYのエレベーターで痛ましい事故 ― vertical trip

アメリカ・ニューヨークシティのオフィスビルで、エレベーター籠がドアが開いたまま上昇し、1人が死亡、2人が怪我をするという痛ましい事故が発生したようです。


It is a moment so automatic and routine that few remember it—a step into the elevator, a mindless task among many in a busy work day. As advertising executive Suzanne Hart took that step Wednesday morning in her Midtown office building, something went wrong.

Just as Ms. Hart crossed into the elevator at about 10 a.m., the cab jerked up suddenly. With the doors partially open, the elevator shot up two floors, dragging her into the elevator shaft and crushing her, according to law-enforcement officials.

The incident was so violent, her body remained trapped inside the shaft well into the evening. Two other elevator passengers received minor injuries and were treated at New York University Hospital.
(Elevator Mishap Is Fatal. The Wall Street Journal. December 15, 2011.)


この種の事故は頻度は多くないものの、日本でも発生した悲惨な事故について、大分前のことですが、記憶している方も多いのではないでしょうか?私の勤務先も、オフィスはビルの15階にあるため、エレベーターは必要不可欠です。かつて一度、朝の出勤時に故障で使用できなかったことがあったのですが、階段を歩いて昇る羽目になり、ありがたみを思い知らされたことがあります。

しかしながら、私を含めて多くの人にとっては喉元過ぎればなんとやらで、何事もなかったかのように毎日エレベーターを利用し、また特に勤務先のエレベーターは来るのが遅いと不評なのですが、そんなことを愚痴にして言っていたりします。

引用した記事の冒頭に、


It is a moment so automatic and routine that few remember it - a step into the elevator, a mindless task among many in a busy work day.


とありますが、まさしく言いえて妙だと思いました。毎日繰り返す動作、利用できて当たり前のようになっていて、故障や事故が起きて初めて考えさせられるのです。

言いえて妙と言えば、下記の"vertical trips"という表現も面白いと思います。エレベーターでの移動を敢えてこのように表現するセンスはネイティヴならではでしょうか?


Across Manhattan, where vertical trips to work—at speeds of 500 to 700 feet a minute—are a way of life for millions of office workers, news of the accident spread quickly. Some workers said they paused before entering elevators, and others opted for the stairs.
(ibid.)


この事故の噂はマンハッタン界隈であっという間に広まり、エレベーターに乗るときはちょっと間を置いたり、エレベーターを避けて階段を利用する人が出てきたりしているそうです。

至極尤もなリアクションでしょうが、時間が経てばやっぱり事故も忘れられ、また当たり前のように利用する日が戻ってくるのでしょう・・・。不幸にも亡くなった女性の冥福を祈らずにはいられません。

2011年12月14日水曜日

脚色、歪曲から捏造、でっち上げ、まで? ― sex up

日本人だからでしょうか、この単語を避ける傾向にあると思いますが、ネイティヴのEnglish speakersにとってはあまり抵抗は無いのかもしれません。


A SENIOR News International executive accused Guardian editor Alan Rusbridger today of "sexing up" coverage of the phone-hacking scandal.

Richard Caseby, managing editor of The Sun, said the broadsheet's "false accusation" that a News of the World reporter deleted voicemails from Milly Dowler's phone had been directly responsible for the closure of the Sunday newspaper.

Giving evidence to the Lords Communications Committee, Mr Caseby said: "I would say it is now clear that Alan Rusbridger has effectively sexed up his investigation into phone hacking and the wider issue of wrongdoing in the media.
(James Tapsfield. Guardian 'sexed up' phone hacking scandal. Herald Sun. December 14, 2011.)


"sex up"という表現なのですが、ランダムハウス英和辞書によると、”性的に興奮させる”という日常にはあまり積極的には用いないであろう意味もありますが、2番目として、”・・・の魅力を増す、一層面白くする”という意味が載っています。

American Heritage Dictionaryではスラングとして、


To increase the appeal or attractiveness of. Often used with up.


という定義があり、感覚的に意味は理解できます。

しかし、引用記事の内容からは単に面白くする、或る物の魅力を増すというよりは、ネガティヴな方の意味が強いように思われます。つまり、脚色、もっと言うと歪曲に近い意味ではないかと思います。

下記の用例はどうでしょうか?


The British Broadcasting Corp. said it had finished an internal disciplinary process stemming from the May 2003 report that quoted an anonymous source as saying Prime Minister Tony Blair's government had "sexed up" evidence on Iraqi weapons to justify war. The BBC said in a statement that it would keep disciplinary decisions about specific workers confidential.
(Associated Press. 2004.)


イラク戦争に関するものですが、イラクが大量破壊兵器を保持しているか否かという点が当時問題になりました。英米はイラクが大量破壊兵器を保持しているとの判断により開戦に踏み切った訳ですが、そもそも大量破壊兵器など無かったことが明らかになり、ブレア政権は閣僚含め退陣に至りました。

ここでの"sex up"は脚色や歪曲よりももっと強い、“でっち上げ”や”捏造”に相当するのではないかと思われます。

魅力のあるものにする、という意味から、脚色、歪曲、でっち上げ、捏造、等々、意味のスペクトルが非常に広い表現ではないでしょうか。

2011年12月13日火曜日

クッキー生地のつまみ食いは危険です! ― sneak bites of

師走も半ば、クリスマスシーズンとなり、華やぐ楽しい季節になってきました。自宅でクッキーやケーキを焼いてアットホームなクリスマスを楽しむ方も多いのではないでしょうか。ホームメードのお菓子は流通品や有名店のそれにはない素朴な味わいがあってわたしは大好きです。しかし、楽しいはずのお菓子作りにも危険が潜んでいます。どんな危険?まだご存知ない方はこちらをご覧ください。

以下は同記事からの引用です。


If you’re one of the many who often sneak bites of cookie batter while forming little mounds of the sticky, sweet stuff for baking, government scientists have a message for you. Stop it now!

A new report shows there may be some nasty germs lurking in ready-to-bake cookie dough.

“What our report shows is that you shouldn’t eat cookie dough raw, no matter where it comes from,” said the report’s lead author Dr. Karen Neil, a medical epidemiologist at the Centers for Disease Control and Prevention. “It’s supposed to be baked.”

Neil and her colleagues concluded that raw, ready-to-bake cookie dough was what caused 77 people in 30 states to become ill, 35 of whom became so sick that they needed to be hospitalized.
(Linda Carrol. Nasty germs lurking in raw cookie dough, scientist warns. MSNBC. December 9, 2011.)


クッキーを焼く時の甘い匂いにはそそられますが、生地をこねる段階でちょっと舐めてみたくなったという経験は誰しもあるのではないでしょうか?ちょっとくらい、という気もしますが、食中毒の危険があると言われるとびびってしまいますね。

今日取り上げる表現、”sneak bites of”はいわゆる“つまみ食い”と訳することが出来ると思います。”sneak”は動詞で、“こっそり~する”という意味、”bite”はここでは名詞で“ひとかじり”の意味です。

つまみ食いの代償が入院、となってはクリスマスもあったものではありませんから、どうぞお気をつけください。

2011年12月12日月曜日

天体観測の週末でしたか? ― stargazing

先週末土曜日の夜、皆既月食を皆さん観察されましたでしょうか?

天文学や星座などに疎い私も、数年に一度と言われるイベントとあっては興味を惹かれない訳には行きません。小学生の子供が学校でもらってきた月食に関する説明書きを読んで、寒い夜中に庭から観測しました。当日は非常に天気が良かったので空も非常にクリアで、殊に夕方に出始めた月が満月で素晴らしくきれいだったのを特に記憶しています。

さて、月食の話題は日本に限らず世界でも同様のようです。


Some local ABC staffers got a bit of shock on Saturday night when the second total lunar eclipse of the year took place after midnight.

Enjoying a Christmas Party, a few of revellers stepped outside and one of them was heard to exclaim, 'that's a really big cloud.'

Happily the confusion was soon cleared up and all enjoyed a few moments of silent star gazing before the lure of karaoke beckoned.

It's the second time this year we've been treated to the spectacle - the first took place on June 15th and was previewed on video by our resident starman, Andrew Fitzgerald.

Andrew says the weekend's eclipse lasted around 50 minutes, (half the time of June's) and was much brighter.

"It was really a coppery colour," he says.
(Emma Sleath. Eclipse from Alice. ABC Alice Springs. December 12, 2011.)


引用した記事に"star gazing"という単語が出てきますが、これは”天体観測”という意味です。"gaze"は、じっと見つめる、凝視するという意味の動詞でいわゆるキホン単語ですが、空を仰いで天体を観察するのに使われるとは知りませんでした。普段天体観測などしない私には初めてみる単語(表現)でした。

普段関心の無い分野の単語って、言ってみれば当然のことですが、知らないものですね。

2011年12月9日金曜日

語呂合わせ? ― fin

今日は面白い記事タイトルを見つけました。最初は何のことかよく分からなかったのですが、皆さんは分かりますか?

("Fin for a fin"という部分です。)


Fin for a fin: Opposition MP's bill would ban shark fin imports

OTTAWA — New Democrat MP Fin Donnelly introduced a private member's bill on Thursday to end shark fin imports to Canada.

Donnelly, who is the official Opposition fisheries critic, said he was introduced to the inhumane practice of shark finning after reading a United Nations report that discussed a steep decline in the world's shark population.

"Sharks play a vital role in maintaining the health of our ocean ecosystems so I wanted to do something to address that issue and thought a private member's bill banning the importation of shark fins to Canada would be an appropriate measure," said Donnelly, explaining how the legislation can help Canada take a lead role in shark conservation.

According to Humane Society International Canada, 73 million sharks are killed each year for their fins.
(Amy Chung. Fin for a fin: Opposition MP's bill would ban shark fin imports. Montreal Gazett. December 8, 2011.)


正直言うと理解するのに少し時間がかかったのですが、2回目読み直して合点が!

ヒントは、記事の冒頭のセンテンスにあるのではないかと。再掲しますと、


New Democrat MP Fin Donnelly introduced a private member's bill on Thursday to end shark fin imports to Canada.


ですが、"to end shark fin imports"という部分に着目しましょう。

分かりましたか?

説明すると野暮なようですが、"fin"は話題になっている"shark's fin"(つまりフカヒレ)、もう1つの"fin"は、"finish"(=the end)のことではないでしょうか?つまり、フカヒレ漁を止めさせる、ということで、以前から国際問題にもなっていて最近では運動家が過激な行動にも出ていると報じられている捕鯨や和歌山のイルカ漁を彷彿とさせます。

ところでもう一度読み返していて、語呂合わせは上記の1つに留まらずもう1つあるような気がしてきました。

そうです、この問題提起を行った当の議員の名前、"Fin Donnelly"氏のファーストネーム、"Fin"にも掛けているような気がするのです。"Fin for a fin"を改めて見ると、前置詞"for"の感じからは、こちらの方が何となくありそうな気もします。

記事のライターに聞いてみたいところです。

2011年12月8日木曜日

ream

飛行機に乗るときに電波を発する機器、特に携帯電話やポータブルゲーム機の電源を切るというルールが様々な議論を呼んでいることはご存知かと思います。わたしは最近飛行機を利用する機会はほとんどないのですが、あとちょっとだけ、みたいな感じでぎりぎりまで操作していてキャビンアテンダントに注意される方を見かけた記憶があります。

アメリカの恐らく有名人(俳優なのか、テレビスターなのか、まったく知りませんが)が、とある携帯ゲームにえらくご執心だそうで、飛行機に乗っている最中もやめられず、当該のフライトから引きずりおろされたということです。


Los Angeles (CNN) -- Alec Baldwin's addiction to the cell phone game "Words with Friends" got him booted from an American Airlines plane parked at a Los Angeles International Airport gate Tuesday afternoon, the actor's spokesman said.

"He loves WWF so much that he was willing to leave a plane for it, but he has already boarded another AA flight," spokesman Matthew Hiltzik said in an e-mail to CNN.

It was unclear whether Baldwin was told to leave because he had refused to turn off a device.
(Alan Duke. Game addiction costs Alec Baldwin his airline seat. CNN. December 7, 2011.)


機器の電源を切る切らないでもめたのか詳細は不明のようですが、記事の話の続きによると、当の有名人はこの一件についてツイッターに投稿したということですから、よほどケータイがお好きなのでしょう。


Baldwin used one of his other technology addictions, Twitter, to make sure the world knows he's not happy about it.

(中略)

The first indication of trouble was posted on Twitter by Michael J. Wolf, a consulting firm executive who was a passenger on the flight.

"On an AA flight at LAX. Alec Baldwin removed from the plane We had to go back to the gate. Terrible that everyone had to wait," Wolf tweeted.

A short time later, Baldwin tweeted to his nearly 600,000 followers: "Flight attendant on American reamed me out 4 playing WORDS W FRIENDS while we sat at the gate, not moving."
(ibid.)


さて、今日の単語は"ream"です。”リーマ”(reamer)という工具があるのはご存知でしょうか?子供の頃、親父の工具箱にあったリーマで遊んでよくしかられたのですが、千枚通しに似た工具で、穴を拡げたり、穴の調整・仕上げのために使います。

ランダムハウス英和辞書では、米語の俗語として、人をしかりつける、厳しく責める、苦しめる、などの意味が載っています。

引用した個所の、

"Flight attendant on American reamed me out 4 playing WORDS W FRIENDS while we sat at the gate, not moving."

で用いられている"ream"は文脈からは恐らく"remove"の意味だと思うのですが、なぜか英和辞書ではこの意味が見当たりません。(ちなみに、"4"は前置詞の"for"を代用していると思われます。)

American Heritage Dictionaryを参照すると、"to remove (material) by the process"という定義があり、これが近いですが、よく考えてみると工具としてのリーマで行う、”<不良の部分を>広げて取り除く”(ランダムハウス英和辞書)に相当する意味です。

引用記事での文脈にぴったりくる定義が見つからないのですが、飛行機から降ろされた本人が敢えて"ream"という単語を使った理由が興味深いところです。

2011年12月7日水曜日

temblor

今年もあと3週間ちょっと、残り僅かになってきました。世間一般的にも、またわたし個人的にも今年は本当に色々なことがあり、大変な年でした。"annus horribilis"(恐ろしい年)というラテン語がありますが、この言葉を彷彿とさせる年だったように思います。

わたしなどが言わなくとも、誰もが真っ先に挙げるトップニュースは3月の大震災でしょう。当ブログでも震災特集ということで、海外メディアの記事を引用して色々な単語・表現をとりあげました。

地震と言えば、"earthquake"、と口を突いてすぐに出てきますが、"temblor"という表現もあるということを下記の記事で知りました。御存知でしたか?


The massive tsunami generated by the March 2011 earthquake off the coast of northeastern Japan was a "merging tsunami" — a type of tsunami long thought to exist, but seen now for the first time, scientists report.

The magnitude-9.0 Tohoku-Oki temblor, the fifth-most powerful quake ever recorded, triggered a tsunami that doubled in intensity over rugged ocean ridges, amplifying its destructive power at landfall, as seen in data from NASA and European radar satellites that captured at least two wave fronts that day.
('Merging tsunami' amplified the carnage in Japan. MSNBC. December 6, 2011.)


"temblor"という単語は元はスペイン語だということです。"tremblor"とつづられることもあるようですが、スペルの似ている、"tremble"や"tremor"などと同じく、ラテン語の"tremere"(震える)に由来しています。

2011年12月6日火曜日

finicky

文系の私は高校では生物を取ったので、化学のことはほとんど知りませんが、元素周期表なるものがあることくらいは知っています。酸素(O)、水素(H)などの元素が一覧表になっているアレです。化学を取ったらアレを暗記しなければならないというようなことを聞いたことがありますが、自分には関係ないとずっと思ってきたので配列など知る由もありません。

このような私が今日のニュース記事を見るに至ったのは偶然と言えば偶然ですが、不変のものと思っていた周期表に新たに2つの元素が追加されるというニュースは、化学を知らない私も関心を引かれました。


Add two names to the periodic table of elements, although you may want to write them in pencil for now.

The International Union of Pure and Applied Chemistry — the scientific body that is the keeper of the list of elements — unveiled Thursday the proposed names for elements 114 and 116: flerovium (atomic symbol Fl) and livermorium (atomic symbol Lv).

If you do not like them, now is the time to voice your objections. The chemistry union will have a five-month comment period open to anyone.
(Kenneth Chang. Names Proposed for 2 New Elements on Periodic Table. The New York Times. December 1, 2011.)


新たに加わる元素の名前は、"flerovium"と"livermonium"というのだそうです。ただし2つとも暫定(proposed names)であり、これに決まるかどうかはまだ分からないそうです。冒頭の、"although you may want to write them in pencil for now"という皮肉が利いています。


“We believe we have to let the world respond,” said Terry A. Renner, the chemistry union’s executive director. “It’s a desire to be fair and recognize everyone’s right to contribute as a scientist.”

The chemistry union, along with its physics counterpart, spent years checking data before finally accepting in June that the two elements had indeed been created in collaborative experiments by the Joint Institute for Nuclear Research in Dubna, Russia, and the Lawrence Livermore National Laboratory in Livermore, Calif.

The process of coming up with what to call them was nearly as arduous.

Through all of human history, only 114 elements have been named, and the chemistry union has finicky rules about what is an acceptable name. For example, if the chemistry union rejects a name, that name cannot be proposed for any subsequent element discoveries, Dr. Renner said.
(ibid.)


元素周期表の改訂になるわけですから当然厳しい審査がされるというのは想像に難くありません。しかし、これは実験とその結果の精査にかかるのみならず、元素の命名についても同様なのだそうです。

人類史上、元素周期表にあるのはたったの114の元素ですが、新たに加えられる元素についての命名については細かくてややこしいルール(finicky rule)があるのだそうです。

ここで今日の1語、"finicky"です。

ランダムハウス英和辞書によると、


(食べ物・着物などに)いやにやかましい、気難しい、


という定義が載っています。"particular"や"fussy"という形容詞と同じような意味と思えばよいでしょうか。

さて語源に興味が湧いてくるのですが、"finick"のエントリを見ると、"finical"からの逆成とあり、さらに"finical"のエントリを見ると今度は"=finicky"となっており、堂々巡りなのです。

American Heritage Dictionaryでもこれは同じなのですが、"probably from fine"という解説があります。"fine"という形容詞が持つ、細かい、微妙な、繊細な、などの意味を考えると何となく納得できるところだと思います。

スペルに"-k-"が入ってしまうのは口調上、つづり上のもので、"panic"が"panicking"になったり、"traffic"が"trafficking"に、"politics"が"politicking"になるのと同様です。

2011年12月5日月曜日

スタグフレーション ― stagflation

今日は経済学用語のお勉強です。これを読んでいる経済学専門の方がいらっしゃいましたらお恥ずかしい限りですが、”スタグフレーション”という用語を何十年かぶりに見たような気がします。いや、度々目にしたり耳にしたりしていながら、単に覚えていないだけかもしれません。

"stagflation"は、"stagnation"(不景気)と"inflation"(いわゆるインフレ)の合成語です。経済学的には矛盾した状況を示しているのがスタグフレーションであると言われています。なぜなら、経済が低迷している場合にはデフレがつきもので、その逆にインフレとは好景気と大いに関連がある、という見方が普通だからです。


Economists use the term “stagflation” to describe an economy that experiences high inflation while its growth falters ― a paradoxical term, as inflation and economic growth are usually positively correlated. When it comes to China, the term is even more paradoxical as the country has been growing by leaps and bounds.

Statistics coming out of China recently confirm that the country may be heading to some sort of stagflation. Economic growth is slowing down, while inflation remains high. Last Saturday, The China Federation of Logistics and Purchasing (CFLP) announced that nonmanufacturing sector slowed down sharply, with the non-service Purchasing Manager’s Index (PMI) dropped from 57.7 in October to 49.7 in November.
(Panos Mouroudoukoutas. China is heading for Stagflation. Forbes. December 4, 2011.)


中国経済はここ数年で飛躍的な成長("growing by leaps and bounds")を遂げてきました。日本はGDP(Gross Domestic Product; 国内総生産)で中国に抜かれてしまいましたが、中国経済も先行きが怪しいようです。

やはりこれからの時代は、GNH(Gross National Happiness; 国民総幸福量)重視ではないでしょうか!?

2011年12月2日金曜日

開業 ― hang a shingle

"shingle"という英単語には、こけら板という訳語がついていますが、これは家の屋根や外壁に使われる木材のことです。”こけら”で国語辞書を引くと、杉やヒノキなどの木材を薄く剥いで屋根を葺くのに用いる、とあります。

恐らく建築材料としての上記の意味から発展したのだと思われるのですが、”看板”という意味でも用いられます。ただ看板は看板でも、"one indicating a professional office" (American Heritage Dictionary)、ということであり、八百屋の看板を"shingle"とは言わないようで、医者や弁護士などのオフィスの看板を指すようです。

そして、"hang a shingle"は、(医師や弁護士が)開業する、という意味で用いられます。


For years, dentists relied on their good reputations to attract customers, figuring it was enough to hang a shingle, perform a valuable service and earn a trusted name.

That was before patients started skipping twice-a-year cleanings, postponing fillings and taking a pass on root canals.

Dentistry, once thought recession-proof, has become a casualty of the tough economy. Americans increasingly see dental care as a luxury, even though neglecting their teeth can lead to serious health hazards, including heart disease.
(Duke Helfand. Dentists turn to marketing after getting brush-off from patients. Los Angels Times. December 2, 2011.)

2011年12月1日木曜日

うまく立ち回る ― turn on a dime

1年以上前ですが、以前の記事で、米国・カリフォルニア州で、主にファーストフードレストランなどの子供向けメニューにおもちゃを付けることを禁止する動きが出ているというニュースを取り上げました。つまり、幼い子供をおもちゃで釣って、カロリーが高く、栄養面からは必ずしも良いとは言えないジャンクフードを食べさせるのはいかがなものか、という議論から生まれた、一種の”規制”です。

ファーストフードと言えばすぐ思いつくのは、日本でもおなじみマクドナルドですが、そのマクドナルドがこの規制をかいくぐる動きに出たというニュースが今日の話題です。

どうやって規制をかいくぐったのでしょうか?

キッズメニューについてくるおもちゃは無料でした。”無料”がダメというのならば、有料にすればいいのです。頭がいいですねぇ!


McDonald’s has turned on a dime to get around San Francisco’s ban on fast-food meals containing free toys.

When the ordinance goes into effect on Thursday, parents buying Happy Meals in the city’s 19 restaurants can still get toys — by paying an extra 10 cents. The proceeds from those toys will support Ronald McDonald House of San Francisco, part of the national nonprofit group.

McDonald’s says that without the trinkets, the meals do not hold the same appeal for customers . “While we will fully comply with this law, we also have a responsibility to give our customers what they want,” Danya Proud, a spokeswoman for McDonald’s, said in a statement. “Parents have told us they’d still like the option of purchasing a toy separately for their child when they buy them a Happy Meal.”
(Stephanie Strom. Toys Stay in San Francisco Happy Meals, for a Charge. The New York Times. November 30, 2011.)


冒頭に出てくる、"turn on a dime"という表現に注目してください。

早速ランダムハウス辞書を引いたのですが、”(米話)小円を描いて回転する”となっていました。??? 意味が分かりません。

仕方がないのでインターネットで色々調べてみますと、この成句にはいくつかの意味があるようで、


急旋回する、急転回する
狭いところでも回転できる(故に小回りが利く)


といった意味で用いられているらしいことが分かりました。American Heritage Dictionaryでは、"on a dime"という成句で、"at a precise point; within a narrowly defined area"と定義されています。

引用記事での意味を考えますと、規制をかいくぐる、もしくはルール違反になるのを回避するために、無料提供していたおもちゃを有償にするという、”方針転換”(転回)を図った、と解釈することができ、"turn on a dime"が意味するところは何となく理解できます。

ところで、"dime"とは米国の通貨で10セントコインのことです。

”狭い場所でも転回できる”という意味は、10セントコインほどの小さなスペースでも、という含意によるということです。

こうして色々と考察していますと、"turn on a dime"は、”うまく立ち回る”というような意味がふさわしく思われてきます。つまりルールや規制で何ともやりにくい状況に置かれている中で、何とか自らの利益を確保すべく、限られた範囲の中でうまく切り抜ける、立ち回る、ということではないでしょうか。

さらに面白いと思うのですが、この記事の話題に戻って、これまで無料おもちゃ付きで提供されていたメニューは、もしおもちゃも欲しければプラス10セント払って買う、ということになったようです。

記事の冒頭で、"turn on a dime"という成句を用いたのは、記事のレポーターのしゃれのセンスでしょうか?考え過ぎかも?